トップメッセージ

10年後のありたい姿を描いた長期ビジョン「芝浦ビジョン2033」
当社グループは、2023年度に、10年スパンの長期ビジョン「芝浦ビジョン2033」を策定しました。策定当時、当社の事業領域である半導体分野は、短期的には投資減少が見込まれる一方で、中長期的にはデジタル化の進展を背景に市場拡大が続くと予測されていました。また、カーボンニュートラルや気候変動、地政学・サプライチェーンリスクなどの社会課題への対応も重要性を増しており、これらを短期では解決できない課題として捉えていました。「芝浦ビジョン2033」は、こうした認識のもとで、10年先を見据え、主に半導体分野における市場・技術・環境・供給面の向こう10年での変化や課題を想定し策定したものです。
本ビジョンでは、当社グループが10年後にありたい姿を「社会やお客様の将来課題とそこにある潜在的ニーズを把捉して能動的に提案・解決し、お客様と共に成長する企業」と定義しました。また、その実現に向け、「ポートフォリオ」「技術」「人材」「財務」の4つの重点施策を設定し、それぞれに紐づく取り組みを進めながら、Phase 1(2023-2025)、Phase 2(2026-2028)、Phase 3(2029-2032)の3段階からなる中期経営計画を策定しています。このビジョンのもとで推進してきたPhase 1は着実に成果を上げ、当社の成長軌道をより確かなものとしました。こうした実績を踏まえ、次なる成長ステージとしてPhase 2へと歩みを進めています。
新中期経営計画Phase 2 (2026-2028)の歩み
2026年度からの3年間では、「芝浦ビジョン2033」のPhase 2にあたる2026-2028中期経営計画に取り組みます。Phase 1においては、当初設定した中計目標値を大きく上回る成果を残すことができました。Phase 1の最終年度となった2025年度も、5期連続の増収増益、4期連続の過去最高益を達成するとともに、ROEも20%以上を3ヵ年継続しています。Phase 2では、これまでビジョン期間内での達成を掲げてきた連結売上高1,000億円以上の目標について、Phase 2期間内での前倒し達成を図ります。また、Phase 1および2において持続的成長に向けた積極的な投資を進めていることを踏まえ、引き続きビジョン期間内でROS20%以上の達成を目指します。そして、「芝浦ビジョン2033」で定めた「社会やお客様の将来課題とそこにある潜在的ニーズを把捉して能動的に提案·解決し、お客様と共に成長する企業」の実現に向けて、Phase 2においても、「SPEプレーヤーとしての持続的成長」「投資成果活用と戦略開発投資の継続」「課題とニーズに応える仕組み・ノウハウの実装・展開」「サステナビリティ経営の更なる推進」の4つを基本方針として、取り組んでいきます。
「芝浦ビジョン2033」の実現を支えるサステナビリティ経営
「芝浦ビジョン2033」において描いた成長の軌道と、Phase 2で掲げる4つの基本方針を着実に結び付けていくうえで、サステナビリティ経営の推進は、全体を支える重要な基盤です。例えば、当社グループでは、「事業を通じて展開するマテリアリティ」と「価値創出の基盤となるマテリアリティ」を掲げ、Phase 1から活動を進めてきましたが、Phase 2ではこれらの活動をさらに深化させていきます。中でも、マテリアリティのひとつに掲げた「環境調和型製品の開発・提供でグリーン社会に貢献」では、エネルギー使用量や原材料使用量を削減する技術・プロセスの開発を進め、環境負荷を低減する製品の開発と提供を推進してきました。その結果、Phase1では、売上高比率90%以上、再資源化率99%を達成しています。Phase2においても、事業に直結するマテリアリティへの対応を着実に進めることで、引き続き環境負荷の低減に貢献していきます。
また、人的資本経営の観点から、「芝浦ビジョン2033」の実現を支える人材力の強化に取り組み続けます。「当社が求める人財像」や「人財マネジメントポリシー」の策定を軸に、新卒採用・中途採用の強化、人材KPIの設定など、Phase 1から人材戦略の基盤整備を進めてきました。その結果、エンジニアを中心に当社が求める人材の確保が着実に進んでいます。
私が組織づくりにおいて大切にしていることは、「他者への貢献」と「自己の成長」の2つです。従業員一人ひとりが、自分の仕事を通じてお客様や同僚、社会に貢献できていると実感できる組織であること。そして、仕事を通じて自らの成長を実感できる組織であることです。当社では毎年、従業員エンゲージメント調査を実施していますが、これらに関する評価項目も設けており、幸いなことに、ともに高い水準を維持しています。半導体業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、持続的な成長を実現するためには、技術への投資だけでなく、人への投資が不可欠です。「芝浦ビジョン2033」で掲げたありたい姿の実現に向け、こうした取り組みを一体的に推進し、バランスの取れたサステナビリティ経営を実行していきます。
ステークホルダーの皆様へのメッセージ
テクノロジーの進歩により、半導体の重要性は社会全体で急速に高まっています。供給面においても地政学リスクが増大する中、私たち芝浦メカトロニクスグループは、事業ポートフォリオを大きく変革する必要があると判断し、かつて主力であったFPD(フラットパネルディスプレイ)事業からSPE(半導体製造装置)事業への転換を進めてきました。変革の方向性を明確に示すために策定したのが「芝浦ビジョン2033」です。当初は現在ほど急速な半導体需要の拡大を想定していたわけではありません。しかし、技術革新のスピードとお客様の課題の高度化に真摯に向き合い、グローバルニッチトップ製品の創出に挑戦し続けてきた結果、計画を上回る成果につながりました。
現在では国内外の機関投資家や個人投資家の皆様との対話機会も増え、当社への期待の高まりを実感しています。一方で、市場環境は今後も大きく変化していくでしょう。当社グループは、変化の激しい事業環境の中にあっても、技術革新への挑戦を続け、お客様とともに新たな価値を創造していきます。そして、持続的な成長と企業価値向上を通じて、すべてのステークホルダーの皆様から信頼され続ける企業を目指してまいります。ステークホルダーの皆様には、当社グループの今後にご期待いただきたいと思います。
芝浦メカトロニクス株式会社
代表取締役社長
