K.T2021年度入社
研究開発
無駄は一切なく、すべてが新しい技術につながる
膨大な“塵”を集めて“山”を築き上げる仕事
私は半導体用シリコンウェーハ洗浄装置の技術開発を担当しています。シリコンウェーハを洗浄するには薬液や超音波、ブラシを用いるなどさまざまな方法があり、たとえば薬液ならどんな種類のものをどれくらい使えばいいか、処理条件を最適化するため、何度も評価実験を行います。事前にある程度の方向性を予想してから実験を行いますが、その通りの結果になることはほとんどなく、日々試行錯誤の繰り返し。丸一日クリーンルームに籠もりきり、という日も珍しくありません。
大学・大学院で化学専攻だったこともあり、仮説を立てて実験しレポートにまとめるといった一連の流れは身に染みついており、現在の業務にも問題なく取り組めています。弊社は大学等の学術機関と共同研究を行うこともあり、私自身も学生時代にそうした研究の機会をいただいたことをきっかけに弊社に興味を持ち、入社を志望したというご縁があります。自分がここで働いている姿を就活中からしっかりイメージできていたため、入社後のギャップはほぼなかったです。むしろあるとすれば、想像よりもはるかに周りの先輩方がやさしかったこと。
拙い疑問でも丁寧に答えてくれる方々ばかりで、本当に恵まれた環境だとありがたく思っています。新人の頃は知識の浅さから自信が持てず、技術的な議論の場にもなかなか参加できずにいましたが、今となって思えばもっと積極的に発言しておけばよかったと後悔していて…。この風通しのよさを私もぜひ継承すべく、後輩たちには自ら積極的にコミュニケーションを取り、不安や悩みを少しでも解決できるよう努めています。

これまでの業務で一番の“成功体験”として印象に残っているのは、台湾のクライアントから依頼された開発案件です。日本国内ではあまり取り扱いがない基盤を加工したいというご要望があり、営業や設計の担当者とともに、新しいハードの開発を行いました。私は現地に一週間ほど出張もしましたが、 言葉の壁がある海外案件ということで、いつも以上に丁寧なヒアリングに努めた結果、お客様にも非常にご満足いただき、大きな達成感を得ることができました。
開発部門では台湾以外にアメリカやイタリアに出張することもあり、グローバルかつ大規模な開発案件にも携われるので、やりがいがありますね。
仕事をする上での座右の銘は、月並みですが「塵も積もれば山となる」です。技術開発は一朝一夕でできるものではなく、膨大な評価実験を行い、トライ&エラーを無限に繰り返す作業。期待通りの結果が得られなくとも、そのデータが意外と別の評価や考察に役立つこともあります。やったことは決して無駄にならず、コツコツと積み上げていくことで、いつか文字通りに“山”を築くことができる。それこそが、技術開発という仕事の最大の魅力だと感じています。これからも研鑽を重ね、今はまだこの世にない新しい技術を生み出していけるよう努力したいです。
