T.S

PersonSHIBAURA MECHATRONICS CORPORATION

T.S2019年度入社

研究開発

“雲外蒼天”の言葉を胸に刻みつつ
将来はAI検査のエキスパート

技術本部研究開発グループに所属し、半導体製造装置やインクジェット錠剤印刷装置などの研究開発を担当しています。
専門はAIを用いた画像検査で、例えばある装置で作られる製品群から「不良品」を選別できるよう、前もってAIに画像を学習させておくプログラムを構築します。しかし「良品はこれで、不良品はこれ」といったいわゆる“教師データ”と呼ばれる画像自体の精度が甘いと、AIがうまく働かず、予想したような検査結果は得られません。また、画像撮影時のカメラの位置や照明の当て方を一つでも誤ると、最適なデータが取れなくなってしまうため、試行錯誤の繰り返しです。
開発中の評価装置には、検査機器を一時的に取り付けるためのスペースを考慮して設計されていない場合もあり、狭い場所に無理やりセンサーやカメラを設置せざるを得ないときも。私は手先が器用な方ではないので、検査以前に意外とそういった細かい作業で苦労することもあります。しかし、前に失敗した検査から改善点を洗い出し、自分の立てた仮説通りの結果が得られたときの喜びはひとしおで、研究開発冥利に尽きる瞬間です。
基本的にはクリーンルームに籠もってデータ取得にかかりきり、といった地道な作業が多いのですが、ときには事業部から依頼されて、国内外のクライアント先へ問題解決に伺うことも。特に印象に残っているのは、初の海外出張となった台湾のプロジェクトです。
お客様の手元にある製造装置の精度をさらに高めたいが、サンプルや評価用画像を社外に持ち出すのは難しいとのことで、上長とともに現地へ伺いました。問題解決に使える時間はわずか数日間。事前に準備していたことが功を奏し、調査・分析から対策の提案まで効率よく行うことができました。

弊社は技術面での切磋琢磨が盛んな社風で、社長や取締役も審査に加わる「技術成果発表会」という社内行事が毎年行われ、私もこれまで2回発表しました。
初回は経験不足から上がってしまい、質疑応答もまともにできなかったのですが、2回目は反省して上司と質疑練習をするなど事前準備を万端に。残念ながら賞はいただけませんでしたが、自分なりの言葉できちんと質疑応答までやり切った点が認められたのか、評価は上々でした。社員一人ひとりの成長をきちんと見守ってくれるので、安心して働くことができるのも弊社の魅力です。

働く上での座右の銘は「雲外蒼天」。雲を突き抜けた先に青空が広がる、つまり苦労を乗り越えた先に明るい未来が待っているという意味ですが、まさに品質検査という仕事の大変さと面白さを表している言葉だと感じます。良い結果が得られず落ち込んでしまうときは、この言葉を思い出して自分を奮い立たせています。
現在、AIを用いた検査を行っている社員は多くないので、これからもこの分野を突き詰めて研究し、エキスパートとして認められるようになりたいです。業務上わからないことがあると「これなら、あの人に相談しよう」とぱっと思い浮かぶ先輩がどの分野にもいて、常に助けられていますので、いつか自分も「AI検査なら私」と思ってもらえるようになるのが、理想ですね。